金融危機ではなぜ円高になるの?/金(ゴールド)へのシフトは投資家心理を反映?

金融危機ではなぜ円高になるの?@

世界的な金融危機のような中においても、
日本の円のように、
世界の各国通貨が安くなっているのに対して、
全面的な円高となるケースもあります。

 

特に、ドルに対しては、
これまで執拗なまでの円高局面を
余儀なくされているといっても過言ではありません。

金融危機ではなぜ円高になるの?A

最近では、
世界的な金融危機が一段落した後においても、
現在でもなお史上最高値でとなる
79円75銭の更新をうかがう勢いは衰えていません。

 

これは、為替市場における通貨の売買が、
基本的にペア取引で行われていることにあります。

 

なので、世界の投資マネーにとっては、
一国の現金(紙幣)そのものを保有しない限り、
必ずある国の通貨を売って
別の国の通貨を買うことになります。

 

つまり、その時々の投資環境に応じて、
相対的に有利(安全)な国の通貨に
シフト(緊急避難)しようとする意思が
強く働くようになるのです。

 

特に、世界的で大規模な
経済危機のような局面においては、
世界の投資マネーが安全な逃避先を求めて
一斉に同じような行動をとることが多々あります。

 

それにより、為替市場では、そのような傾向が
集中的かつ加速度的に促進されることになるのです。

 

現在の円高局面は、
まさに外貨売り(ドル売り)・円買いが
そのようになっているといえます。

 

なお、国内金価格が、
これまでの国際金価格の上昇に合わせて
上昇してきたとはいっても、

 

国際金価格ほどの上昇率にはならなかった理由には、
こうした長期的な円高の流れがあったといえます。

金(ゴールド)へのシフトは投資家心理を反映?

前述したような状況下では、
少なくとも世界的規模の経済危機が
終息の段階に至らないと、

 

基本的な変動要因※などは、
一時的にではあるにせよ
ほとんど意味を持たなくなります。

 

なので、世界の投資マネーが、
金(ゴールド)のような安全資産や
無国籍通貨ともてはやされる実物資産に、
一斉に資金をシフトしようとしているのも、

 

このような為替市場における
投資家の心理と同様のものであると思われます。

 

※二国間の金利格差や景況感格差、経常収支や貿易収支などです。

 

スポンサーリンク