欧州の地政学リスクは?@
イラク戦争の初期には、イギリスも参加していますが、
アメリカが中心となって
大規模な軍事介入が行われました。
スペインなど例外国はありますが、
EU諸国は当時のアメリカとは一線を画して
イラクに対する軍事行動を共にしませんでした。
欧州の地政学リスクは?A
そのため、ユーロは、
イスラム過激派のテロの標的にはならない、
すなわち地政学上のリスクが低い
と受け止められたことから、
為替市場において安全な通貨として、
ドルや円に対しても
大きく買い進まれることとなりました。
なお、
当時のユーロの安全な通貨としての側面は、
中長期的な円安・ユーロ高の
大きな原動力の1つにもなっていました。
実際、1ユーロ=約80円という底値から、
リーマン・ショックの直前の2008年7月に
1ユーロ=約170円の最高値を示現するまでになっています。
国内金価格への影響は?
為替市場のというのは、
突発的に発生する地政学的リスクに対しては
大きく反応するものだということは前述したとおりです。
しかしながら、今後は日本のように
潜在的な地政学的リスクが存在する国においても、
周辺国の今後の軍事行動次第では、
円安への圧力が高まると考えられますので
注意が必要です。
とはいえ、
国内金価格への影響という視点で見ますと、
有事の金(国際金価格の上昇)と
円安(国内金価格の上昇)という
二重の恩恵に預かることができるといえそうです。